2012年4月15日(日)、YouATスタッフの小田と住田の両名は神戸で開催された「起業応援フェスティバル」に出店しました。

YouATの新事業である「字天」漢字デザインサービスがテーマでした。
コピーライターの小田が、会場におられた17名の起業家の方々にその場で「新ことば」を考案・贈呈いたしました。

以下に、当日考案した「新ことば」を簡略に紹介申し上げます。

撰義」は、つなぎびと書家 翔悟こと、柴崎翔悟さんへ。

翔悟さんの名刺には、「偶然の出会いなんてない/すべての出会いは必然である」と印刷されています。
翔悟さんは、最初にストリート書家からスタートし、現在も路上で出会いのインスピレーションから字を書く精神を持ち続けながら、活動を続けておられます。

私は、彼の話を聞いて、日本中世の浄土門の宗教者たちを思い浮かべました。

-わがはからひにて行ずるにあらざれば、非行といふ。わがはらひにてつくる善にもあらざれば、非善といふ。
(歎異抄より)

浄土門の親鸞は、阿弥陀仏のはたらきを、自然(じねん)と呼びました。人が悩み苦しみ、人が道を見出し、人が誰かと出会うのは、ひとえに偶然ではなくて仏のはたらきによってかくのごとくならしめたのであり、自然である。
親鸞は、師である法然との出会いを、自分にとって必然であったと受け止めました。他の道を行けたのであるなら行けたかもしれないが、自分は結局師に出会ってこの道を行くよりほかはなかったのだ、ならば悔いもない。

彼の師の法然は、「選択(せんじゃく)」と言いました。浄土の信仰は、古代仏教よりも容易い。衆生にも広めることができる。だから、法然は選んでこの道に付いたのだ、と言います。

翔悟さんの仕事を見聞きしたとき、出合って「義(ぎ、ことばの意味)」と選(撰)ぶ人ということばのイメージが、頭に浮かびました。それで、「撰義」と贈らせていただきました。
(つづく)

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